第48章 ママはきっと疲れたから帰ったんだ

中野航平は中野蓮を乗せて家を出た。長谷川栞に会えると分かっているせいか、蓮はやけに浮き足立っていて、シートの上でもじもじと落ち着かない。

長谷川グループの正門前まで来て、航平はようやく気づいた。今日は日曜だ。栞はたぶん家で休んでいる。

手土産に用意していた果物や菓子も、少し迷って、長谷川家には届けさせなかった。

――長谷川家の顔に泥を塗る気か?

あんな大きな家が、栞の食べるものに困るはずもない。

車に積んでいた分だけでいい。航平はそのまま長谷川家へ向かった。

ちょうどそのとき、正面から一台の車が来る。

蓮が窓を叩いて叫んだ。

「ママだ! ママ!」

もちろん向こうに聞こえるは...

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